山の話㉒ 他

 昨日は、五味沢某所の冬囲い外し作業と、午後は久々にユニックを使って丸太を運んだりしてました。小型クレーンの先を見ながら操作していたのですが、太陽光線が異様にまぶしく、まるで初冬の小春日和のような気がしました。

 野鳥についてもう少し書きたいので昨日の続きとなります。後日、猟についての思い出や、記録もこちらに公開する予定ですが、野鳥にまつわる鴨猟やヤマドリ猟はその時にお話させていただくこととします。
 山旅の中で常々心を動かす野鳥の声があります。最近はめっきり訪れる機会が減りましたが、2000年から2013年ごろまで毎年一度は毛猛参りに行くことを自身の中で義務付けていました。これはむしろ山旅というよりも修業のような山旅でした。まるで重荷を背負って除草に向かう時のような、決して湧き立つような出発ではなかったのです。
 まだ暗い藪の中に分け入り、少し足元が明るくなってきたころ、深山の彼方からヒーー・・・という、細く鋭い鳴き声を聞きます。鵺の正体とも言われるトラツグミの声を聴くころ、一つ目の急登を登り切るのです。足を止め、その声を身に沁み込ませ、ふたたび上へと歩を進めます。やがて、周りは明るくなり、オオルリやクロツグミたちがあちこちで鳴きはじめます。トラツグミは深山の極早朝でないと聞くことは難しいかと思います。姿はまだ見たことがありません。むしろ逆に姿は必要ないと思っています。この幽玄な声だけで十分価値があるものですから。
 イヌワシは近くの某所が営巣地と言われていまして、大原スキー場にかつて勤務していた頃も上空を大きな姿で飛び回っているのを何度か見た事がありました。冬、彼らの餌は主にノウサギと言われていて、その数も減ってきていたので餌の確保には苦労したことでしょう。このイヌワシも傍で見ることはまず不可能と思われますが、一度だけ山伏岩のヒメコマツの梢にとまっているのを双眼鏡で眺めたことがありました。巨大な猛禽が羽を畳みたたずむさまは記憶に残るシーンでした。
 カラ類は割と混生し、一本の木をちょこまかと動き回ります。タクトの様な尾を振るエナガは可愛く鳴きます。エナガとヤマガラはだいたい同じようなところで見ることができた気がします。
 単独でウサギ狩りをしていた時、めずらしい鳥に会いました。今まで見たこともない色合いで、さっそく双眼鏡で覗いてみるとくちばしが交差している鳥でした。あとで調べてみるとイスカだったのでしょうか。あの時、一度きりの出会いでしたがとても重厚なひと時でした。
 オオルリほどサービス精神に長けた鳥はいないのではないでしょうか。あの三大美声の鳥として有名ですが、色合いもまた濃紺で美しい鳥です。良くなく鳥ですし、木の頂で鳴きますから発見も容易です。綺麗で鳴き声も良くて見やすくていいことずくめですが、少しレア感が薄れてしまいますね。
 オオルリと同じ森でよく耳にする声があります。少しコミカルな声のキビタキです。この鳥は、木の幹の途中にいるため、なかなか見ることは難しい鳥ですが、守門二口登山口から少し登ったところで至近距離で会うことができました。こういう偶然もありますから、山は登るだけではないのですね。
 春の登山道整備の際に、耳障りなくらいよく聞く声の主、クロジです。ちらっと見えた方と思うと、すぐさま逃げてしまいます。昨日も書きましたが、ホトトギスやカッコウ、ジュウイチ、ツツドリなどの類もよく聞きます。山菜が出始め、ブユがそこら中に飛び回り、吸血する頃、必ずそこにカッコウやツツドリの声が充満するのです。夏鳥はそういった、負のイメージもつれてきたりします。
 アカショウビンもなかなか見ることはできませんが、瞬間的に飛んでいる姿を数回見たことがありました。すべて山菜採りの沢筋でのことです。ただ、一度だけ某林道の途中で、アカショウビンの幼鳥を見たことがありました。あの子は無事に育ってくれたのでしょうか。
 都会の野鳥マニアの中でも人気が高いのが渓流を棲み処とするヤマセミです。極珍しい鳥で被写体として価値のある鳥らしいのですが、猟期にダム湖回りをしていたりすると、割と普通に逃げ回っているのを見ることが多かったですね。あと、初冬の頃の下流の電線にとまっているのを目撃したこともありました。逆に都会では珍しくないカワセミなどに会うと、きれいで感動しますね。 
 お前、ほんとに能天気で良いよなぁ~っていう鳴き声のコルリ。カラカラと明るくなく鳥で、かつて八十里越えツアーを6月に催していた頃
番屋乗越手前でよく聞く声でした。
 感動的だったのは、2003年ごろだったでしょうか。家の前が何やら騒がしく聞こえ、ふと見てみると何百羽いやそれ以上だったのかもしれませんが、アトリの大群落が羽を休めて集団で会話をしていたのを見たことがありました。それは壮観で、もっとも記憶に残るものだと思います。

 登山をする人にとっての山は花と景色と紅葉がメインかと思います。鳥の鳴き声に興味をしめす人にあまりお目にかかりません。実にもったいないです。森の風の音などのように一種のBGMとしての立ち位置かも知れませんね、それでもいいのかもしれません。草花のようにただただじっとして動かずに被写体となって生き続けることから解放された生き物なのですから。 

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この記事へのコメント

2020年04月18日 04:33
たくさんの気持ち玉、ありがとうございます。