山の話㉖ 狩猟の思い出② 他

 昨日は鬱陶しい天気で、勤務仕事はパッとせずでだらだら仕事してました。一人仕事をしているとクロツグミの声がして、ようやく本格的な夏鳥がやってきたのだと思いました。

 昨日は鴨猟の話をしましたので、今日方はウサギ猟となります。
 ウサギは昔からこちらではよく食べられてきました。どちらかというと決して美味い方ではなく、地味で脂もなく、はじめて食べる人にとっては特有の臭みが嫌だという人もいます。ジビエ料理というと、イノシシやシカ、鴨などが一般的には美味しいとされ人気があります。しかし、当地区ではイノシシやシカはいなく(小雪で最近は見られるよになってきたが)冬と言えば確実に捕れるウサギが唯一のたんぱく源でした。子供時代から食べ慣れてきたウサギ汁は骨ごとズットン切りした肉塊が鍋に入っていて、骨毟りをしながら食べるあの味はこの地区では誰も忘れられない味となっています。ですからお世話になっている人たちにお届け物として重宝されていました。
 ウサギ猟に適した日は、鴨と違い晴天で夜雪が少し降った日がもっと適しています。ウサギは夜行性で、夜雪が降っている中を求愛行動や採食で過ごします。その活動痕が朝になっても残っており、その足跡を見つけて捕るという手法です。夜明け前にウサギたちは活動をやめ、木の根元などのシェルターにもぐりこみます。そこに隠れる際に巧妙に足跡を変えます。一旦進んでそのままターンし、途中でジャンプして近くの木のたもとにに潜り込むというカムフラージュ痕を作ります。老練なウサギはこれを何度も繰り返し、複雑なカムフラージュ痕を作ることもあります。また、どんな場所にウサギが潜むかという特徴もある程度抑えておかないといけません。やみくもにウサギは潜んでいるわけではなく、必ず雑木林の斜面に沿って斜めになっている木のたもとであり、日当たりが良い場所であることと、目立たない木の根元であることなど特徴を会得する必要があります。
 ウサギ猟はソロであっても巻き狩りであっても現場に行けば踏み跡など無く、一人ラッセルとなります。ラッセルしつつ銃を構え、居れば射撃になるのでまさに体力勝負です。息も絶え絶えであっても、そこに狙点があれば引かざるを得ません。そこらへんがただ山に登る行為に没頭できる登山とはかけ離れたところです。
 単独ウサギ猟ならず、巻き狩りでも、ある一つのピークを目指すものではなく、ひとつの猟場としての広範囲な面積をトラバースしらがら猟行為をしつつ進んだり、ふたたび下ってまた上るという行為の連続です。そこにウサギの痕跡があればの事ですから当然そういった山歩きとなります。
 一日中、獲物を求めて山野を徘徊し、獲物があった時には疲れも軽減されますが、ボーズに終わった時の虚しさは計り知れないものがあります。登山では、天気が悪い日であっても山頂に立った時の感慨はひとしおで、下山後もよどみなく達成感に支配されますが、狩猟でのボーズは達成感もなく、疲労のための疲労であったのだと思い知らされます。
 狩猟は正直好きな行為でした。しかし、好きなウサギ猟でも獲物は減り、捕れなくなり、結果として猟欲が私の中で失われてきたのでした。やはり達成感を感じられない山歩きは嫌なものだとつくづく感じ銃を置いたのでした。

マニアックな話で恐縮です。明日は猟の最終話となりますが熊狩りの話をメインにしていきたいと思います。

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この記事へのコメント

2020年04月22日 06:02
たくさんの気持ち玉、ありがとうございます。